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Geminiに「会話ブランチング」機能が追加へ──既存チャットから新しい会話を分岐可能に|Reddit r/Bardで116↑

Google Geminiに「会話ブランチング」機能が追加される見込みです。Android Authorityが2026年3月17日、Googleアプリのベータ版(v17.10.54.sa.arm64)を解析して発見しました。既存のチャットスレッドの任意の地点から新しい会話を分岐させる機能で、Reddit r/Bardでは116アップボート・23コメントを集めています。

ChatGPTにはすでに同様の機能が存在しますが、Geminiユーザーはフォルダ機能すらない現状に不満を募らせてきました。ブランチングの追加は一歩前進ですが、Redditの反応は「それより先にフォルダをくれ」が大勢を占めています。

この記事でわかること

  • Gemini会話ブランチング機能の仕組みとUI
  • ChatGPT・Claudeとの会話管理機能の比較
  • Reddit r/Bardの反応(翻訳付き)
  • 会話ブランチングが実務で役立つ場面

会話ブランチングとは何か

会話ブランチングは、AIチャットの途中から新しい会話を「分岐」させる機能です。長い会話の中で別のトピックを深掘りしたくなった場合、元の会話を壊さずに特定の時点までの文脈を引き継いだ新しいチャットを作成できます。ソフトウェア開発における「Gitのブランチ」に近い概念です。

従来のAIチャットでは、1つの会話で複数のトピックを扱うと文脈が混ざり、回答品質が低下する「コンテキストドリフト」が問題になっていました。ブランチングはこの問題に対する構造的な解決策です。研究によれば、ブランチングを活用したワークフローでは回答品質が最大13.2%向上し、コンテキストサイズも約58%削減できるとされています。

Geminiでの実装──UIと挙動

Android Authorityが2026年3月17日に発見した実装は、シンプルで直感的な操作体系になっています。Googleアプリのベータ版(v17.10.54.sa.arm64)を解析し、手動で有効化して動作を確認した結果が報じられています。

操作手順(判明している範囲)

  1. Geminiの回答の下にある三点メニュー(...)をタップ
  2. 「Branch in new chat(新しいチャットに分岐)」を選択
  3. その時点までの会話を引き継いだ新しいチャットが自動で開く
  4. 分岐したチャットには「Branch:」タグが付与され、元の会話と区別可能

重要な仕様:分岐地点以降のコンテキストは引き継がれない

長い会話の途中のメッセージからブランチした場合、そのメッセージ以降のやり取りは新しいチャットに含まれません。たとえば20往復の会話の10番目の回答からブランチすると、新しいチャットには1〜10番目までの文脈だけが引き継がれます。11番目以降は「なかったこと」になるため、意図的にコンテキストを絞り込む使い方が可能です。

現在のステータス

この機能はまだ一般公開されていません。ベータ版のアプリコード内に存在が確認された段階で、手動での有効化が必要な状態です。なお、GoogleのAI Studio(studio.google.com)では以前からブランチング機能が提供されており、今回はそれをGeminiの一般ユーザー向けインターフェースに移植する動きとみられます。デスクトップ版から先行提供され、Android・iOSへ順次展開される可能性が指摘されています。

ChatGPT・Claudeとの比較

会話のブランチングや分岐管理は、主要AIアシスタントによってアプローチが異なります。Geminiの新機能がどのポジションにあるのか、ChatGPT・Claudeと比較します。

機能 Gemini(新機能) ChatGPT Claude
メッセージ編集による分岐 未対応 対応済み 対応済み
新しいチャットへの分岐 開発中 未対応 未対応
回答の再生成(別バージョン) 対応済み 対応済み 対応済み
分岐の矢印ナビゲーション 未対応 対応済み 対応済み
フォルダ管理 未対応 未対応 プロジェクト機能
プロジェクト単位の整理 未対応 プロジェクト機能 プロジェクト機能

Geminiのブランチング機能は、ChatGPTの「メッセージ編集→分岐」とは異なるアプローチを取っています。ChatGPTは既存メッセージの編集によって同一チャット内にブランチを作るのに対し、Geminiは完全に独立した新しいチャットとして分離する設計です。前者は比較がしやすい一方、会話が増えるにつれ構造が複雑になります。後者はチャットの管理がシンプルですが、元の会話との関連が見えにくくなるリスクがあります。

Claudeもメッセージ編集時に分岐が生成される仕組みを持つほか、「プロジェクト」機能で会話をフォルダ的に整理できます。一方Geminiはフォルダ機能もプロジェクト機能もなく、会話管理の面では後発の立場です。

実務で役立つ3つの場面

1. コーディング中のアプローチ分岐

AIにコーディングを相談しているとき、「この設計方針で進めるか、別のアプローチも試したい」という場面は頻繁に発生します。会話ブランチングがあれば、現在の設計相談を維持したまま、代替案を別チャットで検討し、最終的に良い方を採用できます。従来は同じ会話に無理やり2つの方針を混ぜるか、新しいチャットを一から始めるかの二択でした。

2. リサーチの深掘り分離

「AIツールの市場調査」という大きなテーマで会話中、特定のツールについて詳しく調べたくなったとき、その地点から分岐すれば本筋を汚さずに深掘りできます。元の会話に戻れば市場全体の調査を続行でき、分岐先では個別ツールの詳細が独立したスレッドとして残ります。

3. 文章の方向性テスト

ブログ記事やプレゼン資料の作成で、「硬めのトーン」と「カジュアルなトーン」を比較したい場合にブランチングが有効です。同じ構成案・素材・コンテキストを保持したまま2つの方向性を試し、結果を見比べて採用する方を決められます。

Redditの反応──「それよりフォルダをくれ」

r/Bardでは116アップボート・23コメントを集めましたが、反応の主流は「歓迎しつつも、もっと基本的な機能を先に実装してほしい」というものでした。特に「フォルダ機能」への要望が繰り返し登場しています。

43 upvotes 最多アップボート

"JUST GIVE US FOLDERS"

「フォルダをくれ、それだけだ」 ── ブランチング機能への直接の批判ではなく、Geminiの会話管理全般への不満を表明。最多の43アップボートを獲得しており、コミュニティの総意に近いコメントです。

26 upvotes

"it took one year to import from AI studio"

「AI Studioから移植するのに1年かかったのか」 ── Google AI Studioではすでにブランチング機能が存在していたことを指摘するコメント。Googleの開発スピードへの皮肉が込められています。

10 upvotes

"Gemini learns from AI Studio"

「GeminiがAI Studioから学んでいる」 ── AI Studioで先行テストされた機能が徐々にGemini本体に取り込まれるパターンを指摘。好意的な見方で、この流れが続けば今後も機能追加が期待できるという含意です。

6 upvotes

"That's cool, but why not folders. Conversation branching I can't find too many use cases for. Projects I find tons of use cases for. Still want both though."

「クールだけど、なぜフォルダじゃないんだ。会話ブランチングのユースケースはあまり思いつかない。プロジェクト機能ならいくらでもある。とはいえ両方ほしいけど」 ── ブランチングよりもプロジェクト管理を優先すべきという意見。冷静な論調で、機能の優先順位について建設的な指摘をしています。

その他のコメント

  • "Finally! The one feature that was missing."(ついに!欠けていた機能がやってきた) ── 2 upvotes。純粋に歓迎する声。
  • "Ain't no way Google actually listened"(Googleが本当にユーザーの声を聞いたとは信じられない) ── 2 upvotes。皮肉交じりの驚き。
  • "Definitely a welcome feature. Really helpful in ChatGPT. Now bring on the FOLDERS."(間違いなく歓迎。ChatGPTで本当に便利だった。次はフォルダを頼む) ── 1 upvote。ChatGPTユーザーならではの実体験に基づく評価。

Aitly編集部の見解

EDITORIAL

Geminiの会話ブランチングは「正しい方向への一歩」ですが、Redditの反応が示す通り、ユーザーが本当に求めているのは「会話を整理する仕組み」全体です。

最多アップボートの「JUST GIVE US FOLDERS」が象徴するように、ブランチング単体では問題の一部しか解決しません。分岐したチャットが増えるほど、それらを整理する手段がなければ結局カオスになります。ChatGPTのプロジェクト機能やClaudeのプロジェクト機能は、その点まで含めた設計です。

一方、「新しいチャットとして独立させる」というGemini独自のアプローチには利点もあります。ChatGPTの同一チャット内ブランチは会話が長くなると構造が複雑になりがちですが、Geminiの方式はチャット自体がシンプルに保たれます。フォルダ機能と組み合わされれば、むしろChatGPTより使いやすくなる可能性があります。

GoogleがAI Studioの機能をGemini本体に順次移植しているパターンは確かに存在します。ブランチングがその第一弾だとすれば、今後フォルダやプロジェクト管理機能が続く可能性はあります。ただし、コメントにもある通り「AI Studioから1年かかった」という速度感は改善の余地があるでしょう。

よくある質問

2026年3月時点では一般公開されていません。Googleアプリのベータ版(v17.10.54.sa.arm64)で存在が確認された段階です。Googleからの公式な提供時期の発表はなく、デスクトップ版から先行提供される可能性が指摘されています。

ChatGPTは既存メッセージの編集・再生成で同一チャット内にブランチを作成する仕組みです。矢印ナビゲーションで分岐間を行き来できます。対してGeminiは「完全に独立した新しいチャット」として分離する設計で、元のチャットとはBranch:タグで関連付けられます。ChatGPTは比較しやすいが構造が複雑になりがち、Geminiはシンプルだが関連が見えにくいというトレードオフがあります。

現時点では不明です。機能自体がまだ一般公開されていないため、無料プランとAI Proプラン(有料)での提供範囲は発表されていません。AI Studioのブランチング機能は無料で利用可能なため、Gemini本体でも無料ユーザーに開放される可能性はあります。

主なメリットは3つです。(1) 長い会話の途中で別方向を試す際に、元の会話を壊さずに済む。(2) 分岐地点以降のコンテキストを切り捨てることで、不要な情報によるコンテキスト汚染を防げる。(3) 複数の選択肢を並行して検討し、結果を比較できる。特にコーディング、リサーチ、文章作成など、試行錯誤が多い作業で効果を発揮します。

※ この記事の情報は2026年3月18日時点のものです。Redditのアップボート数・コメント数は変動する場合があります。
※ 記事内のRedditコメントの翻訳はAitly編集部によるものです。

  • この記事を書いた人

Aitly編集部

AIツール比較メディア「Aitly」の編集部。ChatGPT・Claude・Geminiをはじめ、主要AIツールを実際に使い込んだうえで比較検証しています。スペック表だけではわからない「実際どうなの?」を、独自テストと料金分析でお届けします。

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