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この記事のポイント
- Appleが2011年のSiri登場以来最大の刷新「LLM Siri」を開発中
- Google Gemini 2.5 Proを年間約10億ドルでホワイトラベル採用
- iOS 26.4(基本機能)→ 26.5(クロスアプリ)→ 27(完全版)の3段階リリース
- 応答速度・精度の問題で当初計画から大幅に遅延中
- OpenAIは自社ハードウェアに集中するためApple専属モデル提供を辞退
LLM Siriとは──2段階LLMアーキテクチャ
AppleはSiriを大規模言語モデル(LLM)ベースで全面的に再構築している。Bloomberg記者Mark Gurman氏の継続的な報道によると、内部では「LLM Siri」と呼ばれるこのプロジェクトは、2011年のSiri登場以来最大の刷新だ。
技術的には2段階のLLMシステムを採用する。第1段階のLLMがユーザーのリクエストを分析してルーティングを決定し、第2段階で既存のSiri機能を使うか、より高度なLLMで処理するかを判断する。当初はすべてApple独自開発のAIで処理する設計だったが、2026年1月にGoogleとの大型契約に方針転換した。
Gemini 2.5 Pro採用──年間10億ドルの契約
Appleは2026年1月、GoogleのGemini 2.5 Proを基盤エンジンとして採用する複数年契約を締結した。推定年間約10億ドル。ユーザーから見えるのは「Siri」ブランドのみで、Googleの表記は一切ない「ホワイトラベル」方式だ。リクエストは匿名化され、Googleはデータを保持しないとされている。
OpenAIとの関係も変化している。iOS 18.2以降、ChatGPTはSiri内でオプション選択肢として利用可能だったが、OpenAIはJony Ive氏との自社ハードウェアプロジェクトに集中するため「Appleのカスタムモデルプロバイダーになることを意図的に辞退した」とされる。ChatGPTは引き続きオプションとして残るが、デフォルトエンジンではなくなった。
新Siriでできること
自然な対話
キーワード型から自然な会話型へ。文脈を理解した応答
クロスアプリ操作
1つのリクエストで複数アプリをまたいだタスク実行
パーソナルコンテキスト
スケジュール・メール・メモを考慮した個人最適化
会話記憶
セッション間でユーザー履歴を保持
リリース計画──3段階の段階的展開
遅延の理由──応答速度と精度の問題
Bloombergの2026年2月報道によると、LLM Siriは深刻な技術的問題を抱えている。応答速度が遅い、高度な音声操作にバグが多い、精度に問題がある、旧来のSiri挙動にフォールバックすることがある──といった問題が報告されている。パーソナルデータのクロスアプリ検索にはレイテンシが発生し、クロスアプリ音声操作では頻繁にエラーが発生するという。
Appleは「不完全な機能でユーザーを失望させるより、遅延するほうが望ましい」というスタンスを維持している。この遅延はSiriだけでなく、次世代スマートホーム製品のラインナップにも影響を及ぼしている(Mashable、2026年3月15日報道)。
Redditの反応──圧倒的な懐疑論
r/apple「Apple Confirms Revamped Siri is Still Coming in 2026」(837↑)
"December 32, 2026" ── リリース日の皮肉(989↑)
"Just after Half Life 3" ── 永遠に出ないもの扱い(217↑)
"We might actually get GTA 6 before a better Siri" ── GTA 6より遅い?(11↑)
"No one believes me but I think this will change everything" ── 少数派の楽観論(79↑)
Redditの反応は圧倒的に懐疑的だ。多くのユーザーがSiriの利用をタイマーと天気以外でやめたと述べており、GeminiアプリやCopilotに乗り換えたという声も目立つ。「既製のLLMさえ統合できないのか」という厳しい指摘は、Appleの自社AI開発能力に対する不信感を反映している。
まとめ──期待と不安が入り混じるSiriの未来
LLM SiriはiPhoneユーザー全員に影響する大きな変化だ。Gemini 2.5 Proの採用でChatGPTやGeminiアプリに匹敵する会話能力が期待される一方、度重なる遅延と技術的問題は懸念材料だ。Phase 1のiOS 26.4が予定通り2026年春にリリースされるかが、最初のリトマス試験紙になる。
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